体外受精、顕微授精時の注射①〜概要、卵胞を育てる
自然妊娠(タイミング法)→人工授精→体外受精・顕微授精と進むにつれ、医療の介入度が増えますが、
人工授精までと、体外受精・顕微授精では圧倒的に違う点があります。
それは、以下の2点です。
1. 注射が必要になる可能性
採卵までに卵胞を発育させるための刺激法がいくつかある中で、多くの人が選択する高刺激法(アンタゴニスト法、ショート法、ロング法等)は、日々の注射*が必須であること。
*毎日注射のために通院なんて面倒ですから、自宅での自己注射が一般的です。
2. 掛かる費用
人工授精が、トータルで一周期当たり5万程度(施設により異なります)に対し、体外受精・顕微授精は、採卵、胚の培養、移植までを一周期とした場合、トータルで70〜100万程度。
今回は1. で取り上げた注射について、まずは卵胞を育てる注射の種類と特徴を書いてみたいと思います。
同じ目的で使用出来る注射が複数あるので、自分に合う注射が早く見つかると、掛かる費用も抑えられて良いですよね。
基本的にどの注射も、自己注射になります。自己注射をしていくことが決まった際に、施設で指導があるはずです。
・ゴナールエフペン(メルクバイオファーマ)
- 卵胞を発育させるために使用。
- 卵胞成熟ホルモン(FSH)製剤。
- FSHのみを含有。
- ダイヤルを回して量を指定出来る。
- 既に完成された薬剤がペンに注入されており、自分で薬剤を溶かす等の手間が無い。
- 針が髪の毛のような細さで、体に刺しても無痛。(私は全く痛みがありませんでした!)
・フォリルモンP(富士製薬)
- 卵胞を発育させるために使用。
- 卵胞成熟ホルモン(FSH)製剤。
- FSHのみを含有。
- バイアルに入った薬のペレット(乾燥した粉末みたいなもの)を、生理食塩水で自分で溶かしてから注射の必要あり。
・HMG フェリング(フェリングファーマ)、HMG F(富士製薬)
- 卵胞を発育させるために使用。
- 下垂体性性腺刺激ホルモン製剤。
- バイアルに入った薬のペレット(乾燥した粉末みたいなもの)を、生理食塩水で自分で溶かしてから注射の必要あり。
- FSHとLHの含有比が、製品によって若干異なる。(医師が血液検査や過去の治療経過等から、適切な製品を選択してくれると思います)
フェリング→FSH : LH = 1:1
F → FSH : LH = 1: 0.33
*FSH、LHについて
排卵はFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)という二つのホルモンが卵巣を刺激しておこります。このFSHとLHを体の外から注射により投与します。
次回は排卵を抑制の注射について記載します✏️